万葉集: 枕詞(まくらことば)

2001年10月7日(日)更新

教科書的に言うと、和歌に用いられる修辞用語で、一定の語にかかって修飾したり、語調を整える言葉、となります。

長歌の場合、「語調を整える」のに使われるのは、納得!という感じがしますね。でも、短歌の場合は、すごくもったいない気もします。枕詞(まくらことば)には、意味が無いという考えもあるとのことですが、枕詞(まくらことば)とそれに導かれる言葉がセットになってひとつの意味を表しているものもたくさんあるように思われます。


[あ]
茜(あかね)さす
日・昼を導きます。
あしひきの
山を導きます。
[か]
[さ]
三枝(さきくさ)の
中(なか)を導きます。
さす竹(だけ)の
大宮人(おほみやひと)などを導きます。
さを鹿の
入野(いりの)を導きます。
[た]
玉梓(たまづさ)の
使や妹を導きます。
鶏が鳴く
東(あづま)を導きます。
[な]
ぬばたまの
黒や夜などを導きます。
[は]
はだすすき
「穂に出ず」や「尾花」を導きます。
[ま]
三栗(みつぐり)の
中(なか)を導きます。
[や]
[ら]
[わ]

おまけ:枕詞の「枕」って何?

枕の語源は、真(ま)座(くら)だろうと考えられます。真(ま)は真砂(まさご)、真木、真葛(まくず)などの「ま」のように、優れた・美しいといった意味の言葉です。座(クラ)は馬につける「鞍(くら)」などと同様な意味で、何かを載せる台となるもののこと。枕は人の頭というたいせつな物を載せる台ですから、「ま・くら」なのです。これについては、やまとうた雑記:清少納言 ―和歌と『枕草子』と―に書かれており、著者の水垣さまにご了解いただいて、ここに掲載させていただきました。

なお、一般的には、動詞まく(巻く:まるくたたむ意)が「枕」の語源とされているようです。