雨 撮影(2005.06) by きょう

雨(あめ)

空から降ってくる水滴ですが、さまざまな大きさの雨や量、温度、そして私たちの心の状態によって、雨にもいろいろな名前がついています。

雨(あめ)を詠んだ歌

雨を詠んだ歌は100首(ただし、雨の情景だけでなく、雨にたとえた歌も含んだ場合です)を超えます。よく表われるのは、雨・時雨(しぐれ)・春雨(はるさめ)・小雨(こさめ)などです。表現上、「雨な降りそね(雨よ、降らないで)」というのも5首ほどにでてきます。

0025: み吉野の耳我の嶺に時なくぞ雪は降りける.......(長歌)

0026: み吉野の耳我の山に時じくぞ雪は降るといふ.......(長歌)

0265: 苦しくも降り来る雨か三輪の崎狭野の渡りに家もあらなくに

0299: 奥山の菅の葉しのぎ降る雪の消なば惜しけむ雨な降りそね

0370: 雨降らずとの曇る夜のぬるぬると恋ひつつ居りき君待ちがてり

0374: 雨降らば着むと思へる笠の山人にな着せそ濡れは漬つとも

0460: 栲づのの新羅の国ゆ人言をよしと聞かして.......(長歌)

0519: 雨障み常する君はひさかたの昨夜の夜の雨に懲りにけむかも

0520: ひさかたの雨も降らぬか雨障み君にたぐひてこの日暮らさむ

0664: 石上降るとも雨につつまめや妹に逢はむと言ひてしものを

0769: ひさかたの雨の降る日をただ独り山辺に居ればいぶせかりけり

0786: 春の雨はいやしき降るに梅の花いまだ咲かなくいと若みかも

0792: 春雨を待つとにしあらし我がやどの若木の梅もいまだふふめり

0892: 風交り雨降る夜の雨交り雪降る夜はすべもなく.......(長歌)

0980: 雨隠り御笠の山を高みかも月の出で来ぬ夜はくたちつつ

0999: 茅渟廻より雨ぞ降り来る四極の海人綱手干したり濡れもあへむかも

1040: ひさかたの雨は降りしけ思ふ子がやどに今夜は明かして行かむ

1090: 我妹子が赤裳の裾のひづちなむ今日の小雨に我れさへ濡れな

1091: 通るべく雨はな降りそ我妹子が形見の衣我れ下に着り

1154: 雨は降る仮廬は作るいつの間に吾児の潮干に玉は拾はむ

1170: 楽浪の連庫山に雲居れば雨ぞ降るちふ帰り来我が背

1370: はなはだも降らぬ雨故にはたづみいたくな行きそ人の知るべく

1371: ひさかたの雨には着ぬをあやしくも我が衣手は干る時なきか

1440: 春雨のしくしく降るに高円の山の桜はいかにかあるらむ

1444: 山吹の咲きたる野辺のつほすみれこの春の雨に盛りなりけり

1485: 夏まけて咲きたるはねずひさかたの雨うち降らば移ろひなむか

1491: 卯の花の過ぎば惜しみか霍公鳥雨間も置かずこゆ鳴き渡る

1551: 時待ちて降れるしぐれの雨やみぬ明けむ朝か山のもみたむ

1553: 時雨の雨間なくし降れば御笠山木末あまねく色づきにけり

1554: 大君の御笠の山の黄葉は今日の時雨に散りか過ぎなむ

1557: 明日香川行き廻る岡の秋萩は今日降る雨に散りか過ぎなむ

1566: 久方の雨間も置かず雲隠り鳴きぞ行くなる早稲田雁がね

1568: 雨隠り心いぶせみ出で見れば春日の山は色づきにけり

1569: 雨晴れて清く照りたるこの月夜またさらにして雲なたなびき

1570: ここにありて春日やいづち雨障み出でて行かねば恋ひつつぞ居る

1571: 春日野に時雨降る見ゆ明日よりは黄葉かざさむ高円の山

1573: 秋の雨に濡れつつ居ればいやしけど我妹が宿し思ほゆるかも

1582: めづらしき人に見せむと黄葉を手折りぞ我が来し雨の降らくに

1583: 黄葉を散らす時雨に濡れて来て君が黄葉をかざしつるかも

1585: 奈良山の嶺の黄葉取れば散る時雨の雨し間なく降るらし

1590: 十月時雨にあへる黄葉の吹かば散りなむ風のまにま

1593: 隠口の泊瀬の山は色づきぬ時雨の雨は降りにけらしも

1594: 時雨の雨間なくな降りそ紅ににほへる山の散らまく惜しも

1680: あさもよし紀へ行く君が真土山越ゆらむ今日ぞ雨な降りそね

1696: 衣手の名木の川辺を春雨に我れ立ち濡ると家思ふらむか

1697: 家人の使ひにあらし春雨の避くれど我れを濡らさく思へば

1698: あぶり干す人もあれやも家人の春雨すらを間使ひにする

1747: 白雲の龍田の山の瀧の上の小椋の嶺に.......(長歌)

1753: 衣手常陸の国の二並ぶ筑波の山を見まく欲り.......(長歌)

1756: かき霧らし雨の降る夜を霍公鳥鳴きて行くなりあはれその鳥

1764: 久方の天の川に上つ瀬に玉橋渡し下つ瀬に.......(長歌)

1864: あしひきの山の際照らす桜花この春雨に散りゆかむかも

1869: 春雨に争ひかねて我が宿の桜の花は咲きそめにけり

1870: 春雨はいたくな降りそ桜花いまだ見なくに散らまく惜しも

1877: 春の雨にありけるものを立ち隠り妹が家道にこの日暮らしつ

1878: 今行きて聞くものにもが明日香川春雨降りてたぎつ瀬の音を

1915: 我が背子に恋ひてすべなみ春雨の降るわき知らず出でて来しかも

1916: 今さらに君はい行かじ春雨の心を人の知らずあらなくに

1917: 春雨に衣はいたく通らめや七日し降らば七日来じとや

1918: 梅の花散らす春雨いたく降る旅にや君が廬りせるらむ

1929: さのかたは実になりにしを今さらに春雨降りて花咲かめやも

1932: 春雨のやまず降る降る我が恋ふる人の目すらを相見せなくに

1933: 我妹子に恋ひつつ居れば春雨のそれも知るごとやまず降りつつ

1959: 雨晴れの雲にたぐひて霍公鳥春日をさしてこゆ鳴き渡る

1963: かくばかり雨の降らくに霍公鳥卯の花山になほか鳴くらむ

1970: 見わたせば向ひの野辺のなでしこの散らまく惜しも雨な降りそね

1971: 雨間明けて国見もせむを故郷の花橘は散りにけむかも

2052: この夕降りくる雨は彦星の早漕ぐ舟の櫂の散りかも

2097: 雁がねの来鳴かむ日まで見つつあらむこの萩原に雨な降りそね

2116: 白露に争ひかねて咲ける萩散らば惜しけむ雨な降りそね

2160: 庭草に村雨降りてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり

2169: 夕立ちの雨降るごとに春日野の尾花が上の白露思ほゆ

2180: 九月のしぐれの雨に濡れ通り春日の山は色づきにけり

2196: しぐれの雨間なくし降れば真木の葉も争ひかねて色づきにけり

2197: いちしろくしぐれの雨は降らなくに大城の山は色づきにけり

2217: 君が家の黄葉は早く散りにけりしぐれの雨に濡れにけらしも

2227: 思はぬにしぐれの雨は降りたれど天雲晴れて月夜さやけし

2234: 一日には千重しくしくに我が恋ふる妹があたりにしぐれ降れ見む

2235: 秋田刈る旅の廬りにしぐれ降り我が袖濡れぬ干す人なしに

2236: 玉たすき懸けぬ時なし我が恋はしぐれし降らば濡れつつも行かむ

2237: 黄葉を散らすしぐれの降るなへに夜さへぞ寒きひとりし寝れば

2262: 秋萩を散らす長雨の降るころはひとり起き居て恋ふる夜ぞ多き

2263: 九月のしぐれの雨の山霧のいぶせき我が胸誰を見ばやまむ

2308: 雨降ればたぎつ山川岩に触れ君が砕かむ心は持たじ

2456: ぬばたまの黒髪山の山菅に小雨降りしきしくしく思ほゆ

2457: 大野らに小雨降りしく木の下に時と寄り来ね我が思ふ人

2513: 鳴る神の少し響みてさし曇り雨も降らぬか君を留めむ

2681: 我が背子が使を待つと笠も着ず出でつつぞ見し雨の降らくに

2682: 韓衣君にうち着せ見まく欲り恋ひぞ暮らしし雨の降る日を

2683: 彼方の埴生の小屋に小雨降り床さへ濡れぬ身に添へ我妹

2684: 笠なしと人には言ひて雨障み留まりし君が姿し思ほゆ

2685: 妹が門行き過ぎかねつひさかたの雨も降らぬかそをよしにせむ

2840: いくばくも降らぬ雨ゆゑ我が背子が御名のここだく瀧もとどろに

3012: との曇り雨布留川のさざれ波間なくも君は思ほゆるかも

3032: 君があたり見つつも居らむ生駒山雲なたなびき雨は降るとも

3036: 思ひ出づる時はすべなみ佐保山に立つ雨霧の消ぬべく思ほゆ

3046: 楽浪の波越すあざに降る小雨間も置きて我が思はなくに

3121: 我が背子が使を待つと笠も着ず出でつつぞ見し雨の降らくに

3122: 心なき雨にもあるか人目守り乏しき妹に今日だに逢はむを

3124: 雨も降り夜も更けにけり今さらに君去なめやも紐解き設けな

3125: ひさかたの雨の降る日を我が門に蓑笠着ずて来る人や誰れ

3126: 巻向の穴師の山に雲居つつ雨は降れども濡れつつぞ来し

3213: 十月しぐれの雨に濡れつつか君が行くらむ宿か借るらむ

3214: 十月雨間も置かず降りにせばいづれの里の宿か借らまし

3268: みもろの神奈備山ゆとの曇り雨は降り来ぬ.......(長歌)

3293: み吉野の御金が岳に間なくぞ雨は降るといふ.......(長歌)

3310: 隠口の泊瀬の国にさよばひに我が来れば.......(長歌)

3561: 金門田を荒垣ま斎み日が照れば雨を待とのす君をと待とも

3697: 百船の泊つる対馬の浅茅山しぐれの雨にもみたひにけり

3782: 雨隠り物思ふ時に霍公鳥我が住む里に来鳴き響もす

3791: みどり子の若子髪にはたらちし母に抱かえ.......(長歌)

3819: 夕立の雨うち降れば春日野の尾花が末の白露思ほゆ

3837: ひさかたの雨も降らぬか蓮葉に溜まれる水の玉に似たる見む

3877: 紅に染めてし衣雨降りてにほひはすともうつろはめやも

3883: 弥彦おのれ神さび青雲のたなびく日すら小雨そほ降る

3889: 人魂のさ青なる君がただひとり逢へりし雨夜の葉非左し思ほゆ

3903: 春雨に萌えし柳か梅の花ともに後れぬ常の物かも

3916: 橘のにほへる香かも霍公鳥鳴く夜の雨にうつろひぬらむ

3969: 大君の任けのまにまにしなざかる越を治めに.......(長歌)

4011: 大君の遠の朝廷ぞみ雪降る越と名に追へる......(長歌)

4111: かけまくもあやに畏し天皇の神の大御代に.......(長歌)

4122: 天皇の敷きます国の天の下四方の道には.......(長歌)

4123: この見ゆる雲ほびこりてとの曇り雨も降らぬか心足らひに

4124: 我が欲りし雨は降り来ぬかくしあらば言挙げせずとも年は栄えむ

4138: 薮波の里に宿借り春雨に隠りつつむと妹に告げつや

4217: 卯の花を腐す長雨の始水に寄る木屑なす寄らむ子もがも

4259: 十月時雨の常か我が背子が宿の黄葉散りぬべく見ゆ

4442: 我が背子が宿のなでしこ日並べて雨は降れども色も変らず

4443: ひさかたの雨は降りしくなでしこがいや初花に恋しき我が背

補足

更新日: 2017年08月20日(日)