たのしい万葉集: 布勢(ふせ)の海

2011年07月03日(日)更新


布勢(ふせ)の海は、現在の富山県氷見市の十二町潟(じゅうにちょうがた)にあたります。ここから貝殻が多く出土していることから縄文時代は海だったと考えられています。現在は万葉の頃よりずっと小さな湖になり、水郷公園として保存されています。

この地は万葉の頃、「布施水海(ふせのみずうみ)」と呼ばれていたようです。大伴家持(おおとものやかちも)が多くの歌を詠んでいます。

十二町潟 撮影(2009.09.02) by きょう

3991: もののふの八十伴の男の思ふどち心遣らむと馬並めて.......(長歌)

3992: 布勢の海の沖つ白波あり通ひいや年のはに見つつ偲はむ

3993: 藤波は咲きて散りにき卯の花は今ぞ盛りとあしひきの.......(長歌)

4036: いかにある布勢の浦ぞもここだくに君が見せむと我れを留むる

4038: 玉櫛笥いつしか明けむ布勢の海の浦を行きつつ玉も拾はむ

4039: 音のみに聞きて目に見ぬ布勢の浦を見ずは上らじ年は経ぬとも

4040: 布勢の浦を行きてし見てばももしきの大宮人に語り継ぎてむ

4041: 梅の花咲き散る園に我れ行かむ君が使を片待ちがてら

4042: 藤波の咲き行く見れば霍公鳥鳴くべき時に近づきにけり

4043: 明日の日の布勢の浦廻の藤波にけだし来鳴かず散らしてむかも

4044: 浜辺より我が打ち行かば海辺より迎へも来ぬか海人の釣舟

4045: 沖辺より満ち来る潮のいや増しに我が思ふ君が御船かもかれ

4187: 思ふどちますらをのこの木の暗の繁き思ひを.......(長歌)

4199: 藤波の影なす海の底清み沈く石をも玉とぞ我が見る


万葉地図