平成10年11月8日(日)更新
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但馬皇女は40近い高市皇子(たけちのみこ)に嫁いだのですが、但馬皇子は穂積皇子への恋心を止めようもなかったのでしょう。
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| 0114: | 秋の田の穂向きの寄れる片寄りに君に寄りなな言痛(こちた)くありとも |
| 秋の田の稲穂が片方に傾くように、あなたに寄り添っていたい。たとえ人がなんと噂しようとも。 |
但馬皇女の強い気持ちに、周りが気を使って二人を離そうとします。穂積皇子は志賀の山寺に遣わされるようになります。でも、皇女の気持ちは益々強く・深くなるばかりです。
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| 0115: | 後れ居て恋ひつつあらずは追ひ及かむ道の隈廻に標結へ我が背
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| 残されてあなたのことを想っているだけではいやです。追いついて行きたい。道のかどかどに印をつけておいてください、あなた。 |
でも、このままでは終わりませんでした。ついに、皇子と通じたことが明らかになってしまいます。
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| 0116: | 人言を繁み言痛みおのが世にいまだ渡らぬ朝川渡る |
| 人の噂が辛くても、いえそれだからこそ。生まれて初めて、あの人に会うために冷たい水の流れる朝川を渡ります。 |
皇女の方から会いにいったのでしょう。なんて強いのでしょう。
これまでの一連の流れの中で穂積皇子の歌は万葉集には載っていません。その立場上、気持ちを公にすることができなかったのでしょうか。
やはり許されぬ恋だったのでしょう。二人は正式に結ばれることなく、但馬皇女は和銅元年(708)6月に亡くなります。
但馬皇女が亡くなった後に、冬の雪降る日に墓を見て悲しみ涙を流して詠んだという、穂積皇子の歌があります。この歌は私たちの心を強く打つものが確かにあります。。。。。
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| 0203: | 降る雪はあはにな降りそ吉隠の猪養の岡の寒からまくに |
| 雪よ、そんなに強く降らないで。あの人の眠る吉隠の猪養の岡が、あの人が、寒いから。。。。。。 |
吉隠(よなばり)は、今の奈良県桜井市の初瀬だということです。
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