桜児(さくらこ)をめぐる恋争い

イラスト by 中原さま

昔、桜児(さくらこ)という娘さんがいました。二人の男の人たちがこの桜児(さくらこ)に結婚を申し込んで、命をかけた争いになりました。桜児(さくらこ)はこれを悲しんで、「昔から、二人の男の人に嫁ぐ女はいませんわ。でも、あなたたちは私のために争っていて止めようもありません。私が死んで、争いをやめるいただくしかありませんわ。」と言ったそうです。そうして、その言葉どおり、桜児(さくらこ)は林の中で首を吊って死んでしまいました。

残された二人は、血の涙を流して次の歌を詠んだということです。

3786: 春さらばかざしにせむと我が思ひし桜の花は散りにけるかも

3787: 妹が名に懸けたる桜花咲かば常にや恋ひむいや年のはに

更新日: 2016年01月17日(日)