縵児(かづらこ)をめぐる恋争い

イラスト by 中原さま

昔、三人の男が居て三人とも一人の女性に求婚しました。娘さんが嘆いて「私一人の女の身は消えやすい露のようなものですが、三人の男の人の心を和らげないないことは石のようなものです。」と言いました。ついには池のほとりにたたずんで、水底に身を沈めてしまいました。その時、男たちはあまりの悲しさに堪えず、それぞれ思いを述べて作った歌です。その娘さんの名前は、縵児(かづらこ)ということでした。

3788: 耳成の池し恨めし我妹子が来つつ潜かば水は涸れなむ

3789: あしひきの山縵の子今日行くと我れに告げせば帰り来ましを

3790: あしひきの玉縵の子今日のごといづれの隈を見つつ来にけむ

更新日: 2016年01月17日(日)