あの人に会いたい(男性編)

2008年09月14日(日)更新


万葉の男性は、ことのほか女性への想いを詠んでいるような気がします。彼らも逢いたい気持ちをいろいろな歌で表現しました。

  • あの娘(こ)に逢えないので落ち着かない・・・
  • 逢ってなおさら想いがつのる・・・
  • さぁ、早くあの女(ひと)に逢いに行こう・・・
  • 男のくせに、と自分でも思うのだが・・・
  • あの娘(こ)の姿が浮かんで・・・
  • ここに載せている歌は、万葉集の中で、男性が女性を想って詠んだ歌のごく一部です。


    0117: 嘆きつつますらをのこの恋ふれこそ我が髪結ひの漬ちてぬれけれ

    0123: たけばぬれたかねば長き妹が髪このころ見ぬに掻き入れつらむか

    0125: 橘の蔭踏む道の八衢に物をぞ思ふ妹に逢はずして

    0310: 東の市の植木の木垂るまで逢はず久しみうべ恋ひにけり

    0370: 雨降らずとの曇る夜のぬるぬると恋ひつつ居りき君待ちがてり

    0372: 春日を春日の山の高座の御笠の山に.......(長歌)

    0393: 見えずとも誰れ恋ひざらめ山の端にいさよふ月を外に見てしか

    0403: 朝に日に見まく欲りするその玉をいかにせばかも手ゆ離れずあらむ

    0409: 一日には千重波しきに思へどもなぞその玉の手に巻きかたき

    0485: 神代より生れ継ぎ来れば人さはに.......(長歌)

    0494: 我妹子を相知らしめし人をこそ恋のまされば恨めしみ思へ

    0523: よく渡る人は年にもありといふをいつの間にぞも我が恋ひにける

    0524: むし衾なごやが下に伏せれども妹とし寝ねば肌し寒しも

    0552: 我が君はわけをば死ねと思へかも逢ふ夜逢はぬ夜二走るらむ

    0560: 恋ひ死なむ後は何せむ生ける日のためこそ妹を見まく欲りすれ

    0638: ただ一夜隔てしからにあらたまの月か経ぬると心惑ひぬ

    0648: 相見ずて日長くなりぬこの頃はいかに幸くやいふかし我妹

    0662: 網児の山五百重隠せる佐堤の崎さで延へし子が夢にし見ゆる

    0669: あしひきの山橘の色に出でよ語らひ継ぎて逢ふこともあらむ

    0691: ももしきの大宮人は多かれど心に乗りて思ほゆる妹

    0698: 春日野に朝居る雲のしくしくに我れは恋ひ増す月に日に異に

    0717: つれもなくあるらむ人を片思に我れは思へばわびしくもあるか

    0733: うつせみの世やも二行く何すとか妹に逢はずて我がひとり寝む

    0751: 相見ては幾日も経ぬをここだくもくるひにくるひ思ほゆるかも

    0768: 今知らす久迩の都に妹に逢はず久しくなりぬ行きて早見な

    0783: をととしの先つ年より今年まで恋ふれどなぞも妹に逢ひかたき

    1367: 三国山木末に住まふむささびの鳥待つごとく我れ待ち痩せむ

    1401: 水霧らふ沖つ小島に風をいたみ舟寄せかねつ心は思へど

    1526: 玉かぎるほのかに見えて別れなばもとなや恋ひむ逢ふ時までは

    1630: 高円の野辺のかほ花面影に見えつつ妹は忘れかねつも

    1655: 高山の菅の葉しのぎ降る雪の消ぬと言ふべくも恋の繁けく

    1792: 白玉の人のその名をなかなかに.......(長歌)

    1794: たち変り月重なりて逢はねどもさね忘らえず面影にして

    1891: 冬こもり春咲く花を手折り持ち千たびの限り恋ひわたるかも

    1894: 霞立つ春の長日を恋ひ暮らし夜も更けゆくに妹も逢はぬかも

    1900: 梅の花咲き散る園に我れ行かむ君が使を片待ちがてり

    1909: 春霞山にたなびきおほほしく妹を相見て後恋ひむかも

    1911: さ丹つらふ妹を思ふと霞立つ春日もくれに恋ひわたるかも

    1934: 相思はぬ妹をやもとな菅の根の長き春日を思ひ暮らさむ

    1973: 我妹子に楝の花は散り過ぎず今咲けるごとありこせぬかも

    1986: 我れのみやかく恋すらむかきつはた丹つらふ妹はいかにかあるらむ

    2277: さを鹿の入野のすすき初尾花いづれの時か妹が手まかむ

    2283: 我妹子に逢坂山のはだすすき穂には咲き出ず恋ひわたるかも

    2366: まそ鏡見しかと思ふ妹も逢はぬかも玉の緒の絶えたる恋の繁きこのころ

    2402: 妹があたり遠くも見ればあやしくも我れは恋ふるか逢ふよしなしに

    2449: 香具山に雲居たなびきおほほしく相見し子らを後恋ひむかも

    2550: 立ちて思ひ居てもぞ思ふ紅の赤裳裾引き去にし姿を

    2559: 昨日見て今日こそ隔て我妹子がここだく継ぎて見まくし欲しも

    2580: 面形の忘るとあらばあづきなく男じものや恋ひつつ居らむ

    2597: いかにして忘れむものぞ我妹子に恋はまされど忘らえなくに

    2605: 玉桙の道行きぶりに思はぬに妹を相見て恋ふるころかも

    2631: ぬばたまの黒髪敷きて長き夜を手枕の上に妹待つらむか

    2662: 我妹子にまたも逢はむとちはやぶる神の社を祷まぬ日はなし

    2666: 妹が目の見まく欲しけく夕闇の木の葉隠れる月待つごとし

    2673: ぬばたまの夜渡る月のゆつりなばさらにや妹に我が恋ひ居らむ

    2695: 我妹子に逢ふよしをなみ駿河なる富士の高嶺の燃えつつかあらむ

    2713: 明日香川行く瀬を早み早けむと待つらむ妹をこの日暮らしつ

    2776: 道の辺の草を冬野に踏み枯らし我れ立ち待つと妹に告げこそ

    2792: 玉の緒の現し心や年月の行きかはるまで妹に逢はずあらむ

    2793: 玉の緒の間も置かず見まく欲り我が思ふ妹は家遠くありて

    2881: 立ちて居てすべのたどきも今はなし妹に逢はずて月の経ぬれば

    2932: 心には燃えて思へどうつせみの人目を繁み妹に逢はぬかも

    2991: たらちねの母が飼ふ蚕の繭隠りいぶせくもあるか妹に逢はずして

    3002: あしひきの山より出づる月待つと人には言ひて妹待つ我れを

    3006: 月夜よみ門に出で立ち足占して行く時さへや妹に逢はずあらむ

    3011: 我妹子に衣春日の宜寸川よしもあらぬか妹が目を見む

    3018: 高湍なる能登瀬の川の後も逢はむ妹には我れは今にあらずとも

    3029: 佐太の浦に寄する白波間なく思ふを何か妹に逢ひかたき

    3037: 殺目山行き返り道の朝霞ほのかにだにや妹に逢はざらむ

    3053: あしひきの山菅の根のねもころにやまず思はば妹に逢はむかも

    3122: 心なき雨にもあるか人目守り乏しき妹に今日だに逢はむを

    3154: いで我が駒早く行きこそ真土山待つらむ妹を行きて早見む

    3165: 霍公鳥飛幡の浦にしく波のしくしく君を見むよしもがも

    3255: 古ゆ言ひ継ぎけらく恋すれば.......(長歌)

    3260: 小治田の年魚道の水を間なくぞ.......(長歌)

    3297: 玉たすき懸けぬ時なく我が思ふ.......(長歌)

    3462: あしひきの山沢人の人さはにまなと言ふ子があやに愛しさ


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