葛(くず) 撮影(2009.07) by きょう border=

葛(くず)

葛(くず)はマメ科クズ属のつる性の多年草です。茎が非常に丈夫で、他の植物に絡み付いて数メートルにまで成長します。夏から秋にかけて花が咲きます。根は薬用としてや葛粉(くずこ)として使われます。昔は、大和国の国栖(くず)が葛粉の産地としてよく知られていたそうです。

葛(くず)を詠んだ歌

秋の七草の歌を含めて、万葉集には21首に登場します。その多くは、旺盛な繁殖力やつるがどこまでも伸びていく様を詠んでいます。

0423: つのさはふ磐余の道を朝さらず行きけむ人の.......(長歌)

0649: 夏葛の絶えぬ使のよどめれば事しもあるごと思ひつるかも

0948: ま葛延ふ春日の山はうち靡く春さりゆくと山の上に.......(長歌)

1272: 大刀の後鞘に入野に葛引く我妹真袖もち着せてむとかも夏草刈るも

1346: をみなへし佐紀沢の辺の真葛原いつかも繰りて我が衣に着む

1538: 萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花

1901: 藤波の咲く春の野に延ふ葛の下よし恋ひば久しくもあらむ

1942: 霍公鳥鳴く声聞くや卯の花の咲き散る岡に葛引く娘女

1985: ま葛延ふ夏野の繁くかく恋ひばまこと我が命常ならめやも

2096: 真葛原靡く秋風吹くごとに阿太の大野の萩の花散る

2208: 雁がねの寒く鳴きしゆ水茎の岡の葛葉は色づきにけり

2295: 我が宿の葛葉日に異に色づきぬ来まさぬ君は何心ぞも

2835: ま葛延ふ小野の浅茅を心ゆも人引かめやも我がなけなくに

3068: 水茎の岡の葛葉を吹きかへし面知る子らが見えぬころかも

3069: 赤駒のい行きはばかる真葛原何の伝て言直にしよけむ

3072: 大崎の荒礒の渡り延ふ葛のゆくへもなくや恋ひわたりなむ

3412: 上つ毛野久路保の嶺ろの葛葉がた愛しけ子らにいや離り来も

3834: 梨棗黍に粟つぎ延ふ葛の後も逢はむと葵花咲く

4508: 高圓の野辺延ふ葛の末つひに千代に忘れむ我が大君かも

4509: 延ふ葛の絶えず偲はむ大君の見しし野辺には標結ふべしも

補足

更新日: 2016年08月14日(日)