紅花 撮影(2015.06) by きょう

紅(くれない)

キク科ベニバナ属の紅花(ベニバナ)のことを指しています。6~7月頃にアザミに似た黄色の花(次第に赤くなります)を咲かせます。アジア原産の一年草で、日本には、飛鳥時代にやってきたと考えられています。紅花(ベニバナ)は染色に使われ、朱華(はねず)、紅(くれない)、黄丹(おうに)などの色を作り出していました。

紅(くれない)を詠んだ歌

朱華(はねず)や紅(くれない)に染色された衣服は、灰で洗濯すると色落ちがします。そのことから、「うつろう」、「はかない」の言葉を導くようになったと考えられます。万葉集には、末摘花(すえつむはな)という呼び名でも登場します。

0683: 言ふ言の畏き国ぞ紅の色にな出でそ思ひ死ぬとも

1044: 紅に深く染みにし心かも奈良の都に年の経ぬべき

1218: 黒牛の海紅にほふももしきの大宮人しあさりすらしも

1297: 紅に衣染めまく欲しけども着てにほはばか人の知るべき

1313: 紅の深染めの衣下に着て上に取り着ば言なさむかも

1343: 言痛くはかもかもせむを紅の現し心や妹に逢はずあらむ

1672: 黒牛潟潮干の浦を紅の玉裳裾引き行くは誰が妻

1742: しな照る片足羽川のさ丹塗りの.......(長歌)

1993: 外のみに見つつ恋ひなむ紅の末摘花の色に出でずとも

2177: 春は萌え夏は緑に紅のまだらに見ゆる秋の山かも

2550: 立ちて思ひ居てもぞ思ふ紅の赤裳裾引き去にし姿を

2623: 紅の八しほの衣朝な朝な馴れはすれどもいやめづらしも

2624: 紅の深染めの衣色深く染みにしかばか忘れかねつる

2655: 紅の裾引く道を中に置きて我れは通はむ君か来まさむ

2763: 紅の浅葉の野らに刈る草の束の間も我を忘らすな

2827: 紅の花にしあらば衣手に染め付け持ちて行くべく思ほゆ

2828: 紅の深染めの衣を下に着ば人の見らくににほひ出でむかも

2966: 紅の薄染め衣浅らかに相見し人に恋ふるころかも

3703: 竹敷の宇敝可多山は紅の八しほの色になりにけるかも

3877: 紅に染めてし衣雨降りてにほひはすともうつろはめやも

3969: 大君の任けのまにまにしなざかる.......(長歌)

3973: 大君の命畏みあしひきの山野さはらず.......(長歌)

4109: 紅はうつろふものぞ橡のなれにし来ぬになほしかめやも

4156: あらたまの年行きかはり春されば.......(長歌)

4157: 紅の衣にほはし辟田川絶ゆることなく我れかへり見む

4160: 天地の遠き初めよ世間は常なきものと.......(長歌)

4192: 桃の花紅色ににほひたる面輪のうちに.......(長歌)

補足

更新日: 2017年07月16日(日)