葦(あし) 撮影(2010.08) by あきほ

葦(あし/よし)

池や沼などに生えるイネ科の多年草です。かなり大きくなり、3メートル近くまでにもなります。茎は硬く、中空で節があります。

葦(あし)という呼び名は、「悪(あ)し」を思い起こさせるので、後にヨシ(良し)に変えられました。植物分類学では「ヨシ」を標準和名としているそうです。

葦(あし/よし)を詠んだ歌

万葉集には50首ほどに登場します。雁や、港などといっしょに詠まれた歌も多いです。

0064: 葦辺行く鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕は大和し思ほゆ

0128: 我が聞きし耳によく似る葦の末の足ひく我が背つとめ給ぶべし

0167: 天地の初めの時ひさかたの天の河原に.......(長歌)

0352: 葦辺には鶴がね鳴きて港風寒く吹くらむ津乎の崎はも

0617: 葦辺より満ち来る潮のいや増しに思へか君が忘れかねつる

0919: 若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る

0928: おしてる難波の国は葦垣の古りにし里と人皆の.......(長歌)

0961: 湯の原に鳴く葦鶴は我がごとく妹に恋ふれや時わかず鳴く

1062: やすみしし我が大君のあり通ふ難波の宮は.......(長歌)

1064: 潮干れば葦辺に騒く白鶴の妻呼ぶ声は宮もとどろに

1288: 港の葦の末葉を誰れか手折りし我が背子が振る手を見むと我れぞ手折りし

1324: 葦の根のねもころ思ひて結びてし玉の緒といはば人解かめやも

1804: 父母が成しのまにまに箸向ふ弟の命は.......(長歌)

2134: 葦辺なる荻の葉さやぎ秋風の吹き来るなへに雁鳴き渡る

2135: おしてる難波堀江の葦辺には雁寝たるかも霜の降らくに

2468: 港葦に交じれる草のしり草の人皆知りぬ我が下思ひは

2565: 花ぐはし葦垣越しにただ一目相見し子ゆゑ千たび嘆きつ

2576: 人間守り葦垣越しに我妹子を相見しからに言ぞさだ多き

2651: 難波人葦火焚く屋の煤してあれどおのが妻こそ常めづらしき

2745: 港入りの葦別け小舟障り多み我が思ふ君に逢はぬころかも

2748: 大船に葦荷刈り積みしみみにも妹は心に乗りにけるかも

2762: 葦垣の中の和草にこやかに我れと笑まして人に知らゆな

2833: 葦鴨のすだく池水溢るともまけ溝の辺に我れ越えめやも

2998: 港入りの葦別け小舟障り多み今来む我れを淀むと思ふな

3090: 葦辺行く鴨の羽音の音のみに聞きつつもとな恋ひわたるかも

3227: 葦原の瑞穂の国に手向けすと天降りましけむ.......(長歌)

3253: 葦原の瑞穂の国は神ながら言挙げせぬ国.......(長歌)

3272: うちはへて思ひし小野は遠からぬその里人の.......(長歌)

3279: 葦垣の末かき分けて君越ゆと人にな告げそ事はたな知れ

3345: 葦辺行く雁の翼を見るごとに君が帯ばしし投矢し思ほゆ

3445: 港の葦が中なる玉小菅刈り来我が背子床の隔しに

3446: 妹なろが使ふ川津のささら荻葦と人言語りよらしも

3570: 葦の葉に夕霧立ちて鴨が音の寒き夕し汝をば偲はむ

3625: 夕されば葦辺に騒き明け来れば沖になづさふ.......(長歌)

3626: 鶴が鳴き葦辺をさして飛び渡るあなたづたづしひとりさ寝れば

3627: 朝されば妹が手にまく鏡なす御津の浜びに.......(長歌)

3975: 我が背子に恋ひすべながり葦垣の外に嘆かふ我れし悲しも

3977: 葦垣の外にも君が寄り立たし恋ひけれこそば夢に見えけれ

4006: かき数ふ二上山に神さびて立てる栂の木.......(長歌)

4094: 葦原の瑞穂の国を天下り知らしめしける.......(長歌)

4331: 大君の遠の朝廷としらぬひ筑紫の国は.......(長歌)

4357: 葦垣の隈処に立ちて我妹子が袖もしほほに泣きしぞ思はゆ

4362: 海原のゆたけき見つつ葦が散る難波に年は経ぬべく思ほゆ

4398: 大君の命畏み妻別れ悲しくはあれど.......(長歌)

4400: 家思ふと寐を寝ず居れば鶴が鳴く葦辺も見えず春の霞に

4419: 家ろには葦火焚けども住みよけを筑紫に至りて恋しけ思はも

4459: 葦刈りに堀江漕ぐなる楫の音は大宮人の皆聞くまでに

補足

更新日: 2016年05月29日(日)