原文

君我由久 道乃奈我弖乎 久里多々祢 也伎保呂煩散牟 安米能火毛我母

作者

狭野弟上娘子(さののおとがみをとめ)

万葉集の写本によっては、狭野茅上娘子(さののちがみおとめ)とされています。

よみ

君が行く、道の長手(ながて)を、繰(く)り畳(たた)ね、焼き滅ぼさむ、天(あめ)のもがも

撮影(2010)・編集 by きょう

意味

あなたが行く長い道のりを、手繰り寄せ、焼き滅ぼしてくれる天のがあったらよいのに。

補足

中臣朝臣宅守(なかとみのあそんやかもり)と狭野弟上娘子(さののおとがみをとめ)との贈答歌のひとつです。

万葉集巻十五の目録には、「中臣朝臣宅守(なかとみのあそんやかもり)が、蔵部(くらべ)の女嬬(じょじゅ:女官)である狭野弟上娘子(さののおとがみをとめ)をお嫁さんにしたとき、流罪(るざい)となって、越前国(現在の福井県)に流されました。このとき、夫婦が別れ別れになってもう逢えないことを嘆いて、二人がそれぞれの悲しみの心を表して、贈り答える歌」とあります。

更新日: 2010年8月8日(日)