万葉集: 高円山(たかまどやま)

2005年05月01日(日)更新


春日山の南にある高円山(たかまどやま, たかまとやま)は、春日山と同様に奈良の人々が四季を楽しんだ行楽地のような場所だったようです。聖武天皇(しょうむてんのう)の離宮があったとされていますが、どこにあったのかはわかっていません。。

撮影(2000.4.2) by きょう


0230: 梓弓手に取り持ちてますらをのさつ矢手挟み.......(長歌)

0231: 高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに

0233: 高円の野辺の秋萩な散りそね君が形見に見つつ偲はむ

0948: ま葛延ふ春日の山はうち靡く春さりゆくと.......(長歌)

0981: 狩高の高円山を高みかも出で来る月の遅く照るらむ

1028: ますらをの高円山に迫めたれば里に下り来るむざさびぞこれ

1070: 大夫の弓末振り起し狩高の野辺さへ清く照る月夜かも

1440: 春雨のしくしく降るに高円の山の桜はいかにかあるらむ

1571: 春日野に時雨降る見ゆ明日よりは黄葉かざさむ高円の山

1605: 高円の野辺の秋萩このころの暁露に咲きにけむかも

1610: 高円の秋野の上のなでしこの花うら若み人のかざししなでしこの花

1629: ねもころに物を思へば言はむすべ為むすべもなし.......(長歌)

1630: 高円の野辺のかほ花面影に見えつつ妹は忘れかねつも

1866: 雉鳴く高円の辺に桜花散りて流らふ見む人もがも

1874: 春霞たなびく今日の夕月夜清く照るらむ高松の野に

2121: 秋風は日に異に吹きぬ高円の野辺の秋萩散らまく惜しも

4295: 高円の尾花吹き越す秋風に紐解き開けな直ならずとも

4296: 天雲に雁ぞ鳴くなる高円の萩の下葉はもみちあへむかも

4297: をみなへし秋萩しのぎさを鹿の露別け鳴かむ高圓の野ぞ

4315: 宮人の袖付け衣秋萩ににほひよろしき高圓の宮

4316: 高圓の宮の裾廻の野づかさに今咲けるらむをみなへしはも

4317: 秋野には今こそ行かめもののふの男女の花にほひ見に

4318: 秋の野に露負へる萩を手折らずてあたら盛りを過ぐしてむとか

4319: 高圓の秋野の上の朝霧に妻呼ぶ壮鹿出で立つらむか

4320: 大夫の呼び立てしかばさを鹿の胸別け行かむ秋野萩原

4506: 高圓の野の上の宮は荒れにけり立たしし君の御代遠そけば

4508: 高圓の野辺延ふ葛の末つひに千代に忘れむ我が大君かも

4509: 延ふ葛の絶えず偲はむ大君の見しし野辺には標結ふべしも

4510: 大君の継ぎて見すらし高圓の野辺見るごとに音のみし泣かゆ


以下の歌は「高松」が詠み込まれている歌ですが、「高松」を「たかまと」と読んで「高円(たかまと)」だとする説があります。ご参考までにここに載せておきますね。

・2101: 我が衣摺れるにはあらず高松の野辺行きしかば萩の摺れるぞ

・2191: 雁が音を聞きつるなへに高松の野の上の草ぞ色づきにける

・2203: 里ゆ異に霜は置くらし高松の野山づかさの色づく見れば

・2233: 高松のこの峰も狭に笠立てて満ち盛りたる秋の香のよさ

・2319: 夕されば衣手寒し高松の山の木ごとに雪ぞ降りたる


奈良 | 平城京東部