馬(うま) 撮影 by きょう

馬(うま)

日本の古代の馬は、モンゴルから朝鮮半島を経由して日本にもたらされたのだそうです。よく知られているサラブレッドと違って、背丈もせいぜい130センチ程度で、あまり大きくなかったようです。

馬(うま)を詠んだ歌

馬を詠んだ歌はかなりあります。万葉歌では、馬、駒(こま)、赤駒、黒駒、黒馬、青馬などと詠まれています。三歳までの馬を駒(こま)と言ったようです(和名類聚抄)が、馬を愛情込めて詠んだものもあるのではないでしょうか。また、万葉歌では、「馬並めて」というフレーズがよく使われています。旅を共にした馬を詠んだ歌もあります。

0004: たまきはる宇智の大野に馬並めて朝踏ますらむその草深野

0049: 日並の皇子の命の馬並めてみ狩り立たしし時は来向ふ

0136: 青駒が足掻きを速み雲居にぞ妹があたりを過ぎて来にける

0164: 見まく欲り我がする君もあらなくに何しか来けむ馬疲るるに

0239: やすみししわが大王高光るわが日の皇子の馬並めて.......(長歌)

0263: 馬ないたく打ちてな行きそ日ならべて見ても我が行く志賀にあらなくに

0365: 塩津山打ち越え行けば我が乗れる馬ぞつまづく家恋ふらしも

0478: かけまくもあやに畏し我が大君皇子の命の.......(長歌)

0525: 佐保川の小石踏み渡りぬばたまの黒馬来る夜は年にもあらぬか

0530: 赤駒の越ゆる馬柵の標結ひし妹が心は疑ひもなし

0715: 千鳥鳴く佐保の川門の清き瀬を馬うち渡しいつか通はむ

0804: 世間のすべなきものは年月は流るるごとし.......(長歌)

0806: 龍の馬も今も得てしかあをによし奈良の都に行きて来むため

0808: 龍の馬を我れは求めむあをによし奈良の都に来む人のたに

0877: ひともねのうらぶれ居るに龍田山御馬近づかば忘らしなむか

0897: たまきはるうちの限りは平らけく.......(長歌)

0926: やすみしし我ご大君はみ吉野の.......(長歌)

0948: ま葛延ふ春日の山はうち靡く春さりゆくと.......(長歌)

1002: 馬の歩み抑へ留めよ住吉の岸の埴生ににほひて行かむ

1019: 石上布留の命は手弱女の惑ひによりて馬じもの.......(長歌)

1047: やすみしし我が大君の高敷かす大和の国は.......(長歌)

1104: 馬並めてみ吉野川を見まく欲りうち越え来てぞ瀧に遊びつる

1141: 武庫川の水脈を早みと赤駒の足掻くたぎちに濡れにけるかも

1148: 馬並めて今日我が見つる住吉の岸の埴生を万代に見む

1153: 住吉の名児の浜辺に馬立てて玉拾ひしく常忘らえず

1191: 妹が門出入の川の瀬を早み我が馬つまづく家思ふらしも

1192: 白栲ににほふ真土の山川に我が馬なづむ家恋ふらしも

1271: 遠くありて雲居に見ゆる妹が家に早く至らむ歩め黒駒

1273: 住吉の波豆麻の君が馬乗衣さひづらふ漢女を据ゑて縫へる衣ぞ

1289: 垣越しに犬呼び越して鳥猟する君青山の茂き山辺に馬休め君

1291: この岡に草刈るわらはなしか刈りそねありつつも君が来まさば御馬草にせむ

1720: 馬並めてうち群れ越え来今日見つる吉野の川をいつかへり見む

1859: 馬並めて多賀の山辺を白栲ににほはしたるは梅の花かも

2103: 秋風は涼しくなりぬ馬並めていざ野に行かな萩の花見に

2201: 妹がりと馬に鞍置きて生駒山うち越え来れば黄葉散りつつ

2421: 来る道は岩踏む山はなくもがも我が待つ君が馬つまづくに

2425: 山科の木幡の山を馬はあれど徒歩より我が来し汝を思ひかねて

2510: 赤駒が足掻速けば雲居にも隠り行かむぞ袖まけ我妹

2512: 味酒のみもろの山に立つ月の見が欲し君が馬の音ぞする

2652: 妹が髪上げ竹葉野の放れ駒荒びにけらし逢はなく思へば

2653: 馬の音のとどともすれば松蔭に出でてぞ見つるけだし君かと

2654: 君に恋ひ寐ねぬ朝明に誰が乗れる馬の足の音ぞ我れに聞かする

3069: 赤駒のい行きはばかる真葛原何の伝て言直にしよけむ

3096: 馬柵越しに麦食む駒の罵らゆれど猶し恋しく思ひかねつも

3097: さ桧隈桧隈川に馬留め馬に水飼へ我れ外に見む

3098: おのれゆゑ罵らえて居れば青馬の面高夫駄に乗りて来べしや

3154: いで我が駒早く行きこそ真土山待つらむ妹を行きて早見む

3276: 百足らず山田の道を波雲の愛し妻と.......(長歌)

3278: 赤駒を馬屋に立て黒駒を馬屋に立てて.......(長歌)

3303: 里人の我れに告ぐらく汝が恋ふるうつくし夫は.......(長歌)

3313: 川の瀬の石踏み渡りぬばたまの黒馬来る夜は常にあらぬかも

3314: つぎねふ山背道を人夫の馬より行くに己夫し.......(長歌)

3317: 馬買はば妹徒歩ならむよしゑやし石は踏むとも我はふたり行かむ

3327: 百小竹の三野の王西の馬屋に立てて飼ふ駒.......(長歌)

3328: 衣手葦毛の馬のいなく声心あれかも常ゆ異に鳴く

3387: 足の音せず行かむ駒もが葛飾の真間の継橋やまず通はむ

3139: 鈴が音の早馬駅家の堤井の水を給へな妹が直手よ

3441: ま遠くの雲居に見ゆる妹が家にいつか至らむ歩め我が駒

3451: 左奈都良の岡に粟蒔き愛しきが駒は食ぐとも我はそとも追じ

3532: 春の野に草食む駒の口やまず我を偲ふらむ家の子ろはも

3533: 人の子の愛しけしだは浜洲鳥足悩む駒の惜しけくもなし

3534: 赤駒が門出をしつつ出でかてにせしを見立てし家の子らはも

3535: 己が命をおほにな思ひそ庭に立ち笑ますがからに駒に逢ふものを

3536: 赤駒を打ちてさ緒引き心引きいかなる背なか我がり来むと言ふ

3537: 柵越しに麦食む駒のはつはつにあひ見し子らしあやにかなしも

3538: 広橋を馬越しがねて心のみ妹がり遣りて我はここにして

3539: あずの上に駒を繋ぎて危ほかど人妻子ろを息に我がする

3540: 左和多里の手児にい行き逢ひ赤駒が足掻きを速み言問はず来ぬ

3541: あずへから駒の行ごのす危はとも人妻子ろをまゆかせらふも

3542: さざれ石に駒を馳させて心痛み我が思ふ妹が家のあたりかも

3545: 駒造る土師の志婢麻呂白くあればうべ欲しからむその黒色を

3627: 朝されば妹が手にまく鏡なす御津の浜びに.......(長歌)

3776: 今日もかも都なりせば見まく欲り西の御馬屋の外に立てらまし

3886: おしてるや難波の小江に廬作り隠りて居る.......(長歌)

3954: 馬並めていざ打ち行かな渋谿の清き礒廻に寄する波見に

3957: 天離る鄙治めにと大君の任けのまにまに出でて来し.......(長歌)

3991: もののふの八十伴の男の思ふどち心遣らむと馬並めて.......(長歌)

3993: 藤波は咲きて散りにき卯の花は今ぞ盛りとあしひきの.......(長歌)

4022: 鵜坂川渡る瀬多みこの我が馬の足掻きの水に衣濡れにけり

4081: 片思ひを馬にふつまに負ほせ持て越辺に遣らば人かたはむかも

4083: 常の恋いまだやまぬに都より馬に恋来ば担ひあへむかも

4110: 左夫流子が斎きし殿に鈴懸けぬ駅馬下れり里もとどろに

4122: 天皇の敷きます国の天の下四方の道には.......(長歌)

4154: あしひきの山坂越えて行きかはる年の緒長く.......(長歌)

4249: 石瀬野に秋萩しのぎ馬並めて初鷹猟だにせずや別れむ

4260: 大君は神にしませば赤駒の腹這ふ田居を都と成しつ

4206: 渋谿をさして我が行くこの浜に月夜飽きてむ馬しまし止め

4372: 足柄のみ坂給はり返り見ず我れは越え行く.......(長歌)

4417: 赤駒を山野にはがし捕りかにて多摩の横山徒歩ゆか遣らむ

4429: 馬屋なる縄立つ駒の後るがへ妹が言ひしを置きて悲しも

4494: 水鳥の鴨の羽の色の青馬を今日見る人は限りなしといふ

更新日: 2016年04月03日(日)