万葉集: 鳥好きの部屋より鶴(たづ)を詠んだ歌

2008年12月21日(日)更新


鶴は万葉集には47首に詠まれています。意外と多いのに驚きますね。特に、海辺に居る鶴がよく詠まれていて、昔は海の近くで沢山見ることができたと思われます。

詠まれている鶴の種類(タンチョウづる、マナヅル、ナベヅル)はよくわかりません。

撮影 by 川崎市のTTさん

0067: 旅にしてもの恋ほしきに鶴が音も聞こえずありせば恋ひて死なまし

0071: 大和恋ひ寐の寝らえぬに心なくこの洲崎廻に鶴鳴くべしや

0271: 桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟潮干にけらし鶴鳴き渡る

0273: 磯の崎漕ぎ廻み行けば近江の海八十の港に鶴さはに鳴く

0324: みもろの神なび山に五百枝さし.......(長歌)

0352: 葦辺には鶴がね鳴きて港風寒く吹くらむ津乎の崎はも

0389: 島伝ひ敏馬の崎を漕ぎ廻れば大和恋しく鶴さはに鳴く

0456: 君に恋ひいたもすべなみ葦鶴の哭のみし泣かゆ朝夕にして

0509: 臣の女の櫛笥に乗れる鏡なす御津の浜辺にさ丹つらふ.......(長歌)

0575: 草香江の入江にあさる葦鶴のあなたづたづし友なしにして

0592: 闇の夜に鳴くなる鶴の外のみに聞きつつかあらむ逢ふとはなしに

0760: うち渡す武田の原に鳴く鶴の間なく時なし我が恋ふらくは

0919: 若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る

0961: 湯の原に鳴く葦鶴は我がごとく妹に恋ふれや時わかず鳴く

1000: 子らしあらばふたり聞かむを沖つ洲に鳴くなる鶴の暁の声

1030: 妹に恋ひ吾の松原見わたせば潮干の潟に鶴鳴き渡る

1062: やすみしし我が大君のあり通ふ難波の宮は鯨魚取り.......(長歌)

1064: 潮干れば葦辺に騒く白鶴の妻呼ぶ声は宮もとどろに

1160: 難波潟潮干に立ちて見わたせば淡路の島に鶴渡る見ゆ

1164: 潮干ればともに潟に出で鳴く鶴の声遠ざかる磯廻すらしも

1165: 夕なぎにあさりする鶴潮満てば沖波高み己妻呼ばふ

1175: 足柄の箱根飛び越え行く鶴の羨しき見れば大和し思ほゆ

1198: あさりすと礒に棲む鶴明けされば浜風寒み己妻呼ぶも

1199: 藻刈り舟沖漕ぎ来らし妹が島形見の浦に鶴翔る見ゆ

1453: 玉たすき懸けぬ時なく息の緒に我が思ふ君は.......(長歌)

1545: 織女の袖継ぐ宵の暁は川瀬の鶴は鳴かずともよし

1791: 旅人の宿りせむ野に霜降らば我が子羽ぐくめ天の鶴群

2138: 鶴がねの今朝鳴くなへに雁がねはいづくさしてか雲隠るらむ

2249: 鶴が音の聞こゆる田居に廬りして我れ旅なりと妹に告げこそ

2269: 今夜の暁ぐたち鳴く鶴の思ひは過ぎず恋こそまされ

2490: 天雲に翼打ちつけて飛ぶ鶴のたづたづしかも君しまさねば

2768: 葦鶴の騒く入江の白菅の知らせむためと言痛かるかも

2805: 伊勢の海ゆ鳴き来る鶴の音どろも君が聞こさば我れ恋ひめやも

3522: 昨夜こそば子ろとさ寝しか雲の上ゆ鳴き行く鶴の間遠く思ほゆ

3523: 坂越えて安倍の田の面に居る鶴のともしき君は明日さへもがも

3595: 朝開き漕ぎ出て来れば武庫の浦の潮干の潟に鶴が声すも

3598: ぬばたまの夜は明けぬらし玉の浦にあさりする鶴鳴き渡るなり

3626: 鶴が鳴き葦辺をさして飛び渡るあなたづたづしひとりさ寝れば

3627: 朝されば妹が手にまく鏡なす御津の浜びに大船に.......(長歌)

3642: 沖辺より潮満ち来らし可良の浦にあさりする鶴鳴きて騒きぬ

3654: 可之布江に鶴鳴き渡る志賀の浦に沖つ白波立ちし来らしも

4018: 港風寒く吹くらし奈呉の江に妻呼び交し鶴多に鳴く

4034: 奈呉の海に潮の早干ばあさりしに出でむと鶴は今ぞ鳴くなる

4116: 大君の任きのまにまに取り持ちて仕ふる国の.......(長歌)

4398: 大君の命畏み妻別れ悲しくはあれど大夫の.......(長歌)

4399: 海原に霞たなびき鶴が音の悲しき宵は国辺し思ほゆ

4400: 家思ふと寐を寝ず居れば鶴が鳴く葦辺も見えず春の霞に


鳥を詠んだ歌