万葉集: 鯨魚(いさな)を詠んだ歌

2005年08月21日(日)更新


鯨魚(いさな)は、おもに鯨(くじら)のことですが、セミクジラ・ナガスクジラ・コクジラなどをはじめ、イルカなども含まれるようです。日本近海にやってくるのは、冬が中心ですが、夏にも現われることもあります。

万葉歌の中では、「いさなとり」として浜・海・灘(なだ)を導く枕詞(まくらことば)として使われています。

海豚(いるか) 撮影(2005.08) by きょう

貝塚から骨が見付かっていることから、かなり古くから鯨を利用していたと考えられます。ただし、本格的な捕鯨技術が始まったのは16世紀ころからのようです。余談ですが、ペルーなどが日本に開港を迫った中には、当時米国でも盛んだった捕鯨用の船の補給基地を求めていたことも含まれていたのでしたね。


0131: 石見の海角の浦廻を浦なしと人こそ見らめ潟なしと.......(長歌)

0138: 石見の海津の浦をなみ浦なしと人こそ見らめ潟なしと.......(長歌)

0153: 鯨魚取り近江の海を沖放けて漕ぎ来る船辺付きて.......(長歌)

0220: 玉藻よし讃岐の国は国からか見れども飽かぬ.......(長歌)

0366: 越の海の角鹿の浜ゆ大船に真楫貫き下ろし鯨魚取り.......(長歌)

0931: 鯨魚取り浜辺を清みうち靡き生ふる玉藻に.......(長歌)

1062: やすみしし我が大君のあり通ふ難波の宮は鯨魚取り.......(長歌)

3335: 玉桙の道行く人はあしひきの山行き野行き.......(長歌)

3336: 鳥が音の聞こゆる海に高山を隔てになして.......(長歌)

3339: 玉桙の道に出で立ちあしひきの野行き山行き.......(長歌)

3852: 鯨魚取り海や死にする山や死にする死ぬれこそ海は潮干て山は枯れすれ

3893: 昨日こそ船出はせしか鯨魚取り比治奇の灘を今日見つるかも


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