研究テーマその5

合流? 汚水? 雨水?って何?


下水道のマンホールのふたを見ると「合流(ごうりゅう)」、「汚水(おすい)」、「雨水(うすい)」と書かれていることが多い。
これはいったい何を意味しているのだろうか?
下水道には「合流式」と、「分流式」という2つの方式がある。ここではこの2つの方式について解説する。


合流式下水道

 「下水」は空から降ってくる「雨水」と、家庭などから出る「汚水」で構成されている。合流式下水道とは、この2つを1つの管で集め流す方式の下水道のことである。この場合雨が降ったときは雨水と汚水が同じ管の中を混じり合って流れることになる。これらの全てが下水処理場へ行くわけではなく、計画汚水量の3倍程度を越える分については、途中にあるポンプ所や雨水吐室において何も処理されずに直接河川へ流される。ポンプ所や雨水吐室にはせきが設けられていて、このせきを越えた分は雨水であると見なしているのである。だから未処理の汚水が含まれた雨水が河川へ直接流れているのである。河川の水質の安全性の面からこの方式はあまり好ましくないので、近年ではこの方式はほとんど採用されていない。しかし、建設費が安くすむので古くから下水道整備をはじめた町ではこの方式を採用している町が圧倒的に多い。
 このような合流式下水道の問題を克服するため、特に汚れのひどい降りはじめの雨水を滞水池に貯留し、後で処理場に送水し処理するなどの改善策がとられている町もある。

分流式下水道

 「雨水」と「汚水」をそれぞれ別の管で流す方式が分流式下水道である。汚水は汚水管を通って下水処理場へ、雨水は雨水管を通って直接河川に放流される。2本管を布設しなければならないので、建設費は余計にかかるのだが、雨水と汚水が完全に分断されるので、合流式のように汚水が川に流れ込むようなことはない。近年では分流式を採用する町が圧倒的に多い。
 汚水管のマンホールのふたは下水のにおいが上がってくるのを防ぐためと、雨が降ってきたとき、中に雨水が入るのを防ぐため、穴が空いていない構造になっている。雨水管のマンホールのふたは穴が空いている。これは、雨が降ったときに急激にマンホール内の水位が上昇し、それによって押し上げられたマンホール内の空気の圧力でふたが押し上げられるエアーハンマーという現象が起こるので、それを防ぐために空気抜きの穴を設けているのである。
 余談だが、下水道の原則として「汚水私費、雨水公費」というのがある。汚水管は下水道に接続している家庭だけから下水道使用料を取って、汚水処理及び建設をしているのである。雨水管は洪水から町を防ぐための施設であるので、料金を取るのではなく税金を使って建設しているのである。町によっては汚水管と雨水管の所管がそれぞれ違っているところもある。合流式の下水道のある町はどうしているのかというと、税金から「雨水処理負担金」と言う形で、下水道事業者にお金を払うのである。


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