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キ620 ロータリー車


 SL時代の除雪車は機関車に推される除雪貨車。ロータリー車とて例外ではなく、自走できない貨車でした。
ラッセル車の保存車は各地に散在するものの、ロータリー除雪貨車の保存車は少なく、北海道の名寄と小樽
そしてここで紹介する野沢の3箇所だけです。その、今となっては貴重なロータリー除雪貨車を見てみましょう。


如法寺境内に保存されているロータリー除雪車 キ621

 除雪はまずはラッセル車で線路の雪を線路脇に飛ばします。何度もラッセル車を繰り返すと線路脇に雪の壁が
出来て飛ばし先が無くなり除雪不能となるため、雪壁を取り除く必要があります。現在の除雪機関車(DD14等)や
除雪用の保線機械(俗に「ハイモ」とか「MR」とか呼ばれるもの)では雪壁崩しと雪飛ばしを一気にやってしまいます
が、SL時代は雪壁崩しはマックレー車、雪飛ばしはロータリー車と、別々の除雪車が必要で、且つそれぞれに
機関車が必要でした。マックレー車は線路に雪を入れるために機関車に牽かれ、ロータリー車は線路内の雪を
飛ばすために機関車に推されるため、機関車(キ)+マックレー車(マ)+ロータリー車(ロ)+機関車(キ)の
「キマロキ編成」で作業していたのです。
 ここに保存されているのはロータリー車とラッセル車の2両だけです。名寄では、キマロキ編成で保存されていまます。

  
 ロータリー車の場合は雪を飛ばす羽を廻す必要があり、その動力はSLと同じ蒸気でした。すなわちSLが2台ある
ように作業していたのです。SLと同様なので、当然炭水車があります。この車輌、後述の通り戦後(昭和23年)製なので
炭水車にも戦後製SLの特徴(船底テンダー)があります。

 本体は3室に分かれており、それぞれに扉がついています。上3枚の右端写真に写っている扉から中に入ってみましょう。
  
中に入ると、いきなり左端の写真のモノが目に入ってきます。動力が蒸気ですから当然なんですが、まるでSLそのもの。
右2枚は、本体の大部分を占めるボイラー部分。SLが四角い車体の中に入っているって感じです。

 
で、一番前の部屋。ここでいろいろ操作するのでしょうが、思ったよりシンプルです。前方視界はロータリー車共通に言える
事ですが、こんな視界でよく雪の中で前が見れるもんだ、って感じです。


次に動力系統


4箇所ある検査蓋、開けるとそれぞれ中はこんな感じになっています。
SLの場合ピストンは前にあってロッドで後にある車輪を廻しますが、ロータリー車の場合は逆に
車体後方にピストンがあってロッドで前へ伝えます。で、右端の軸を廻し ・・・

  
一番前の部屋(操作室?)に顔を出している傘歯車で回転の向きを90度変えて羽を廻します。
羽にはネジがついていて、羽の角度が変えられます。


一緒に展示されているラッセル車、キ172と共にある解説板です。
「黒い巨鯨が(中略)今だ私達の脳裏にあざやかに残っています」なんて、この文を書いた方の思い入れが良く出ていますなぁ。
それにしても、本州からSLが消えた後も、除雪車という特殊用途とは言えSL同様のものが昭和51年まで車籍があった
(最後に使ったのはいつかは知りませんが)のにはちょっと驚きです。
もしDLに推されて使われた事があったなら、それはそれで見てみたかったなぁ ・・・
ところで、キ172にマックレー車とありますが、これは明らかな間違いで、ラッセル車が正解です。

 
保存場所の如法寺・鳥追観音は、鉄道だと磐越西線野沢駅、高速道路だと磐越道西会津インター近くです。
歩道橋のある信号を高速道路側に曲がって道なりに進み、高速の下を潜って曲った山道をちょっといくと
左手に左写真の鳥追観音、右手に真っ赤な口を開けたキ621が見えてきます。
野沢駅からだとクルマで10分もあれば着きます。
右の写真のとおり、保存場所のすぐそばにバス停もありますが、本数は少ないです。

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