恐い夢の話
私がまだ２０代の頃の話です。その当時私は、ある女性アイドル歌手のファンだったのですが、彼女は所属プロダクションのビルの屋上から飛び降り自殺をしてしまったのです。私は彼女の写真集を買うほどのファンでしたので、少なからず残念な気持ちでいました。
それから２〜３年経ったある日、こんな恐い夢をみたのです。夢の中で私は布団の上に寝転がりながら彼女の写真集を見ています。その写真集を傍（かたわ）らに置いて、布団の上でウトウトと寝てしまいました。すると天井の方から低い男の声が聞こえてきたのです。『そんなにＹ．Ｏ（彼女のイニシャル）に会いたいのなら、会わせてやろうか？』と。
と同時に、両手首・両足首を何者かにグッとつかまれて天井の方に引きずり上げられそうになったのです。体が上の方に上がっていく感じがしました。ものすごい恐怖感にとらわれましたが、精一杯力を振り絞り見えない敵に抵抗したのです。
やっと見えない力から解放された時、目が覚めました。不思議なことに、夢の中で寝ていたのと同じ状態で布団の上に横になっていたのです。そして両手首と両足首にはグッとつかまれた感触がいつまでも残っていました。