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原稿『雑学いろいろ』
第3回「豪華花見は桜餅で締めくくり」
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豪快な花見、といえば「江戸時代の吉原」が凄すぎです。
3月におこなわれる年中行事の花見には、惜しみなく大判小判が注ぎ込まれる壮大な物で、この時だけは普段出入りを禁じられている一般女性も吉原へ入る事が許されました。
どのくらいスケールが大きかったかというと、まず、桜の木を運び込む所から始まります。吉原の大通りに並べられる桜は、開花の時期に合わせて、山から根付きのまま運び込まれた植木というからビックリ。お値段は、当時の通貨で百五十両。百文でお米が一合一寸ほど買えた時代の話しなので、現在の通貨に直すと数千万円か?←計算違っていたら面目ない。けど、どえらい金額を使った事には違いないはず。
当時の料理番付けなどによれば、花見の肴は初鰹やら桜鯛が好まれたみたいですが、夜桜見物のお土産の定番は桜餅だったそうです。つまり、散財したバカ旦那やボンボンが、家で待つ妻や母に、甘い桜餅を買って帰り、ご機嫌取りをするという‥‥(笑)
なんとなく、宴会でよっぱらったお父さんが、寿司やらケーキやらをお土産にもって帰るの図に似ていて面白いね。
文政7年頃に書かれた文献に、向島長命寺の桜餅の葉は2枚である。という記録が残っていますが、他の桜餅は葉っぱを1枚使用する現在のものとほぼ同じ要領で作られていたようです。

■江戸時代風桜餅

[A]
上新粉‥‥‥80g
砂糖‥‥‥‥大さじ2
ぬるま湯‥‥1/3カップ
[B]
白玉粉‥‥‥80g
砂糖‥‥‥‥大さじ2
水‥‥‥‥‥1/3カップ

[具]
桜の花の塩漬け‥‥25〜6個(刻んでおく)
桜の葉の塩漬け‥‥10枚
こしあん‥‥‥‥‥大さじ10


1.AとBをそれぞれよく混ぜる。
2.AとBを合わせて更に混ぜ、みみたぶ程度の柔らかさの生地を作る。
3.生地を耐熱容器にいれてラップをし、電子レンジで2分加熱。
4.いったん取り出し、水でぬらしたシャモジかなにかで全体を混ぜ、再びラップをしてから電子レンジで2分加熱。
5.生地が熱いうちに塩漬けの桜の花びらを加えてシャモジなどで混ぜ、手で触れるていどまで冷めたら、今度は手に水をつけて手でこね合わせる。
6.じゅうぶんにこねたら棒状にのばし、10等分に千切ってまるめる。
7.手の平で丸くのばし、中にあんを包む。
8.桜の葉の塩漬けで挟んでできあがり。



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